理系の研究計画書の構成
理系の研究計画書について解説します。
ここでは、バイオ系の実験計画書を例に出して、構成を解説します。
構成としては、おおまかに
タイトル→背景→目的→手段(研究方法)→予想される結果→研究の意義
となります。
詳細には、以下の通りです。
研究計画書
○○○○大学○○部○○学科○○専攻4年○○○○
タイトル
「○○○タグと・・・配列を付加した・・・・タンパク発現ベクターの作製および、・・・配列を付した・・・タンパクの精製」
コメント:内容を表すのに必要かつ十分な事項を記載しましょう。
背景
○○○について、19XX年に、・・・・ は・・・であることが報告された。
また、19XX年には、・・・により、・・・できることが報告され。さらに、・・・も報告された。
コメント:計画書を読む人が、研究計画書の全体を理解するのに必要十分な量の背景知識を書きます。ここでは、少し古めの過去の研究結果を書きます。計画書に関係ない過去の研究は、書かないようにしましょう。なお、文献を参照するところは、適宜、脚注を付けて書きます。
・・・は、その配列に,塩基性の・・・を多く含んでいるため,・・・できるという効果が得られることから、塩基性・・・を・・・した融合タンパク質の研究が現在までに盛んに行われてきた。その後も、200X年に、これらの融合タンパク質は、・・・という性質を有することが明らかとなったことから、近年、その融合タンパク質を効率よく精製する手法が注目されており、その精製方法の代表的な研究としては、たとえば、○○○氏による~~~という研究がある。
コメント:研究する対象が、注目に値する技術であることを記載します。
しかし、これまでの研究では、~~~というプロセスにおいて、・・・・という問題があるため、融合タンパク質の収率が、・・・・・非常に非効率なものとなっていた。
コメント:今までの研究には、問題があったことを、理由とともに指摘します。もし、今までの研究が少なく、新しい研究なのであれば、今までは、その研究がなかったと指摘しておきましょう。
手法
・概要
上記の目的を達成するため、○○○タグと・・・配列を付加した・・・・タンパク発現ベクターの作製を試みる。
このベクターを用いる理由は、第一に、~~~~である。また、第二に、~~~である。
コメント:上記の手法を採用する理由を書きます。必要であれば、図やグラフも記載しましょう)
・詳細
具体的な手順は、以下の通りである。
- 材料
・○○○○○○○○○
・○○○○○○○○○
・○○○○○○○○○
コメント:用いる材料を記載します。使用する予定の実験器具を書く必要はありません。
- 手順
1)○○○○○○○○○。
2)○○○○○○○○○。
3)○○○○○○○○○。
4)○○○○○○○○○。
5)○○○○○○○○○。
6)○○○○○○○○○。
コメント:実験の手順を、読者も実験可能な程度の詳しさで記載します。できるだけ丁寧に書きましょう。なお、読む人がその分野の専門家とは限りませんから、なるべく難しい専門用語を避け、やさしい言葉で簡潔に書きましょう。どうしても難しい専門用語を書くときは、脚注をつけて定義を記載するなど、意味が分かるようにしましょう。
予想される結果
○○細胞へ,・・・タグを切断した・・・タンパクを精製したものを導入することにより、細胞内で・・・・・・と・・・が反応することにより、・・・・・が観察されると思われる。
意義
融合タンパク質の精製と、細胞内への導入に成功した場合、今後、そのタンパク質を・・・・・として使用できる
また、・・・タグを付けた他のタンパクでも、・・・・・できる可能性がある
コメント:予想される結果が出たら、という前提で、役立ちそうなことを具体的に書きましょう。「将来、がん治療に役立つ可能性がある」など、遠いゴールは書かないようにします。